第1回 『竹馬の友』



この2、3年 少なからず『芝居』の近くに居ると、都内・郊外を問わず、感じる事がある。
(まぁ、『感じる』と言っても、都内で2年下積みをして、半年前に、無理矢理自分の劇団を持った程度の『感じる』なので、そこの所を御理解頂きたい。)
 一つは、夢見がちな方が多いという事。もう一つは、社会の何処にも行き場を持たない方々ばかりだという事。
 そう!!そんな、『夢見がちで何処にも行き場の無い方々』の集まりが劇団なのである。
 つまり、
        『夢子ちゃん(ゲゲゲの鬼太郎より』
              +
        『車寅次郎(男はつらいよ『寅次郎旅日記』より』
              ×
        『10〜20人の素敵な男女』
              ‖
             劇団
なのである。
 今回は、劇団Mワークスから、そんな寂しい人間の代表格『増田章』の話をしたいと思う。否。『したい』とは思わない。むしろ『したく無い』がしかし、せずにはいられない。何故ならこの男、結構評判が良いのである。Mワークスでは、本番の度、見て頂いた方々に『アンケート』を書いてもらうのだが、その中に必ず2、3枚、
『増田さん恰好が良い』的な何とも不可思議なアンケートが入っているのである。
 分析してみよう。



        増田が恰好良い。
            ‖
        舞台上で顔が良く見える。
            ‖
        顔が良く見える。
            ‖
        顔の凸凹がハッキリしている。
            ‖
        アゴが出ている。
 又は、
        増田がかっこうがよい。
            ‖
        増田のかっぷくがよい。
            ‖
        増田はかっぽうりょうりが食べたい。
            ‖
        増田の腹が出ている。



 となる。つまり、増田は、体のいろいろな所に出っ張りがある為に舞台上で他人より目立ち、目立つもんだから、恰好良く見えるのである。これで納得。
 因みに、どうも納得が行かない。又は、どうもと得心が行かない。という方は、メールにて御意見を頂きたい。
 御意見が50通を越えた時点で、『増田と私』という題名の小冊子を作りたいと思います。
 そんな増田(24)も稽古場では、いつも、岩佐麻利恵(18)に、『もっと大人になってください』と怒られ、負け犬のような顔をしています。
 そこで一句。


     増田さん  岩佐に怒鳴られ  負け犬だ・・・あしからず。

 増田(24)がいつか岩佐(18)に、
 『大人になりましたね』
 と言われる日が来る事を願って。


2001年 吉日  宮崎 健

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